七ツ寺プロデュース第15弾『あの小舟ならもう出た』
2011.3.10-13@七ツ寺共同スタジオ(名古屋)
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かつて書いた『旅行者』の続編をと思い描くうちに、わたしたち生きる者の旅には、つねにすでに死者を伴っているではないかという視点が加わり、『旅行者』の素朴な続編には収まらない作品になった。
いまの地震でさまざまな報道があり、ショッキングなことはいくつもあるが、わたしが特に胸を締め付けれる思いになるのは、どこそこの浜に遺体が千、二千と打ち上げられているというものだ。あの厚かましいテレビ局の取材もその打ち上げられた遺体の様子は映さない。回収もされず身元の確認もされず(もちろんそれは怠慢からではなくしようにもできないからだ)、浜辺で遺体は孤独に横たわっているのだろう。家族や友人知人、恋人が探し求める声にも応えられず、静かに眠っているのだろう。余震に揺らされることはあっても、その静寂が破られないことを祈るばかりだ。そして探し求める人々と再会できることを。