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地域の劇場から起こすこと
日本の現代演劇において、優れた作品やそれにまつわる情報のだいたいは昔も今も東京を経由して全国の地域にやってくる。わたしが住んでいる京都も同じだし、関西全体を見てもそうだろう。もっとも首都・東京に人口が集中しているのだから、それは始まりとしてはごく自然なことだ。
 それにしても。わたし自身は、なにかあれば東京からというお決まりのパターンには食傷気味になっているし、なんだか東京からのものは猫も杓子も良いモノだと言わんばかりの雰囲気にも違和感がある。それは随分とツマラナイものもあるんだなという実際の観劇体験から気づいたことでもあって、おそらく「これはスゴイ」と思える作品があるのは割合としては地域を問わず一定で、東京はその分母が桁違いだから多くあるだけのことなのだと、それが今のところわたしの持論だ。
 ただその一方で、何もかもが東京経由でやって来ることに、そこから離れた地域に住むわたしたちが依存していることも確かなことだ。近年、地域に売り込みをかけてくる東京の劇団やプロダクションが増えているが、それはあたかも東京の過剰な競争から抜け出して活路を外に求めているかのようだ(実際そうなのだろう)。彼らの真剣さは半端ではないので、これは皮肉でも嫌みでもなく率直にそう思うのだけれど、東京からもたらされるものに依存しがちな地域では「だいたいが東京経由」という例のパターンはより加速する。
 いわゆる劇場法が実際のことになるのが見えて来るにつけ、東京以外の地域で活動する制作者やプロデューサー、そして劇場には、例のパターンを繰り返すのかそこから自立するのかという問いにいよいよ向き合うことになる。わたしは当然そこからの自立を目指し、東京とは可逆な関係でやりとりができることを目指したい。そしてそれは相手が東京に限らず、例えば広島や福岡との関係も同じで、可逆的であるべきだと思う。可逆的であるとはつまり、都市と都市のあいだで、作品や人材の行き来が人口や経済規模の大小によって一方通行にならないことだ。
 だから、誤解のないように一言付け加えたいのは、東京を排除するとかいう話ではないということだ。数年前まで田舎にいて今の住所が東京にあるだけで、なんだか高いところにいる気になっている連中の物言いにイラッとすることはあるものの、排除するだとか、それはまったく不毛なことだ。素朴な「アンチ東京」には意味が無い。
 自分の足で優れた作品やアーティストを探すということ。わたしは福岡出身ということもあって最近は目が西に向いている。今回の演劇祭では特に福岡から来る劇団GIGA(演出=山田恵理香)だ。山田さんは九州以外ではあまり知られていないが、わたしは実際に彼女の演出した作品を京都と福岡で見て、近い将来には多くの人が知るようになる演出家だと思った。今回の京都公演をそうなるきっかけにしたいし、それが、これからの地域と地域の作品・人材の行き来のモデルケースになるはずだ。こうしたことはわたしがアトリエ劇研のディレクターとしてすべき仕事の一つだと思っている。
 世界地図を見れば明らかだが、そもそも世界は西に広がっている。フランスも韓国も福岡も京都からは西だ。その単純な事実にしたがって、眼差しを西に向けてみたということでもある。
 演劇祭の開幕を明日に控えて、今思うところを述べてみました。

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>じゅんさん
同窓会での演奏、お疲れさまでした。ずいぶん盛り上がったみたいで、懐かしい名前がいろいろ並んでいてうらやましいです。演劇も音楽も、状況としては似たところが多いのかもしれませんね。またそういう話も含めて次の機会にぜひ。ありがとうございます。
田辺剛 | 2010/06/16 11:35
同窓会の報告でも、って思ってついでに読んだ(失礼!)記事だったけれど、大いに納得しました。
音楽の世界も一緒ですね。特に、レコーディングなんかは、ほとんど東京でしか出来んし、ミュージシャンで東京以外で「本職として」やるのなんて非常に厳しい。それ、良くないですよね。
あ、ちょうどタイムリーな話で、先日訪れた岡山なんか、(音楽)文化的にちょっと変わってて面白いなあ…なんて思ったところでしたが。

さて。昨日は上田君、きむ、江里君、えがらん、清水さん、和田結ちゃん、あと田上君とか懐かしい面々にたくさん会いました。
永光先生や色んな人に、なべの活躍伝えときました?
じゅん | 2010/06/14 23:16
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