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命を削って:MONO語り『怪人二十面相・伝』
 一人芝居だと思っていて、いや確かに一人芝居ではあるのだが、俳優が誰か一人の人間を演じ続けるというよりは、タイトルにあるとおり「語り」の舞台だった。一人芝居の上演時間は60分くらいが限界とつねづね思っていたのだが……
 この舞台の上演時間は(少なくとも今日は)2時間10分あったのだった。
 一人芝居が2時間10分!
 ちょうど僕が予備知識をまったくもたずに、たまたま映画館の前を通りがかったからという軽い気持ちで見た「ロード・オブ・ザ・キング」と同じだ。あの時もその作品が3部作のひとつで、しかも一本で3時間もあるとは知らずに驚愕したのだった。
 『怪人二十面相・伝』に話を戻すと、生の舞台を一人で2時間10分というのは相当な体力を必要とするはずだが、ぜんぜん失速しない。むしろ後半になるとその「語り」はさらに奥行きが広がり、いよいよ観客を引き込んでいくように思われたのだった。そして役者の表現するエネルギーが、本人の思うように放出され、観客に届いているように感じられた。僕とほとんど同じ年齢のその女優は、アイ・ホールの広い舞台を最後には自分のモノとして、観客と共有していた。僕が開演ギリギリに着いたこともあって、はじまりの頃は僕自身が落ち着かず、暗がりのなかでパンフレットを開いてこそこそ見たりもしていたのだが、結局僕の手は終演までパンフレットを開いたままに持っていて、閉じることを忘れるほどだったのだ。平日夜の公演なのに伊丹で開演7時は早すぎるとブヅフツ文句を言いながら走って会場にかけつけたのだが、見終わるとすっかり納得した。
 自分自身も創る側にいるのでなんとか想像ができるが、2時間10分の一人芝居を創るというのは考えただけでもゾッとする。稽古場で一対一になった役者と演出家、そして2時間10分の作品。実際はどれだけのエネルギーを必要とするだろう。
 脚本と演出と役者と、そしていろんなスタッフと、みなが命を削って創った舞台なのだと驚嘆した。創作作法の違いとか、趣味の違いとか、そういったことを通り越して直接握手ができるような、そんな舞台だった。長い舞台ではある。しかし長いだけの舞台では決してない。それは実際にご覧いただければと思う。

 今日の夜、そして明日の昼。ぜひ見るべきだと思う舞台です。今回は「観劇記録」というより「僕のオススメ舞台」のようになってしまったが、とにかく。


AI・HALL+北村想 プロデュース
MONO語り『怪人二十面相・伝』
作/北村想 演出/中村賢司(空の驛舎)
出演/船戸香里(清流劇場)
   河本久和・塚本久留実(空の驛舎)、山口晶子(リリコイ)
詳しくは、中村さんのブログにもあります


noartnolife
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けんしさん、お疲れ様でした。落ち着いたらまたよろしくです。

ちなみに「ロード・オブ・ザ・キング」じゃなくて「ロード・オブ・ザ・リング」ですた。第三部「王の帰還」とごっちゃになりまして。
田辺剛 | 2005/08/17 00:50
田辺さん、ステキなコメントありがとうございます。
無事、終了いたしまして、ほっとしております。
「虎武士」ではあんまり話せなかったんで、また呑んでください。
ではでは。
けんし | 2005/08/16 00:10
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